ロックでガンギマリ、自分に酔え
麦茶を飲みながらボーッとしていた。
酷く暑かった先週よりもずっと過ごしやすい今日。
だがコップは変わらず結露しており、手のひらにぐっしょりとした感触を残す。
頭の中では常に曲が流れている。
この夜はa flood of circle のミッドナイトクローラーだ。
このクソみたいな国は敷かれたレールを走るだけの列車のようだ。
全ての自由という言葉を1度でもいいから体験したいものだ。
ジャンルに捉われながら過ごす日々はとても窮屈である。
自分の性格を一言で表さないといけないのか?
女か男かしかないのか?
清潔で聡明、明快でないといけないのか?
理の矛盾は指摘できないのか?
混沌と疑問が脳裏を駆け巡り、口先まで出かかるが、理性という名を借りて押しつけられたフィルターによって排出することはない。
引っかかった言葉たちは音楽や比喩によって辛うじて吐き出すことができる。
泳ぎだせ ミッドナイト・クローラー
絶望を背負ったまんま
用のない群れからはぐれてゆけ
自分の何かのリミッターが外れた時、本当に進みたい道がみえてくる気がする。
それは世間やもっと狭いコミュニティの中から外れた自由でカラフルで攻撃的なもの。
それを求めるのは、既にその経験があるから。
誰もいない夜道を有り得ないスピードで駆け抜けて、禁止の文字からある程度遠ざかっていく。
反対車線に目もくれず、大声で自由を張り上げながら走っていく。
大好きなあの世界、もう二度と出会えない。
...嫌だ。
例えピッタリと同じ空間に存在することが出来なくとも、別の道筋のフラッシュとなり、向こう岸へと手を伸ばしたい。
自分が求めるのは自由だけ。
危険を顧みないモーションと固定観念をぶっ壊して叫びたい。
f**k‼︎
別に今の環境が嫌いなわけではない。
フラストレーションが溜まってるだけ。
こっち見んなよ。
てめーの夢だけ見てろよ。
負けんなよ。
おめーに言ってんだよ、鏡の前のお前。
こんなことを思っていると、結露しきったコップは底の部分が水浸しになっていた。
それをティッシュで拭き取りトラッシュボックスへシュートする。
声を聞くな、やりたいようにやれ。
泳ぎだせ、ミッドナイトクローラー。