Grungy super stars

やんきー おじさん さんぱくがん

日常に入り込む距離感

このあいだのMステで、我らのスーパーおじさんアイドルは5月3日にリリースとなった新曲を披露した。「COLORS」というタイトル通り、ドット柄のような細やかで色とりどりの照明が、テレビや映画そして舞台と四方八方で活躍する彼らの個性を演出していた。そしてイッセイミヤケのブランドをグループで纏い、この季節にしっくりとくる淡い色と、ゆるく優しいプリーツのかかったストライプの生地が声質の違う6人をうまくまとめていた。型ばっていないジャケットをサラッと着こなす姿は平均年齢40歳の彼らにふさわしい大人の余裕のようなものがある。

というのはあとになって録画で見返した感想であり、リアルタイムで見ていた時は

 

と典型的なオタクの感想しかツイートできなかった。

オースティンからバトンタッチをうけて、ニッコニコで皺くちゃの井ノ原快彦さんが私の家の小さなテレビ画面いっぱいに映った瞬間、ファンだからわかる何とも言えないホーム感があり、あ~これこれ、これが欲しかったんだよと、好きという興奮と同時に安心を覚えた。

歌の入りは森田さんの落としたら割れそうな声から始まり、ワイルドで一匹狼な見た目とのギャップである、切なそうなキャラメルボイスが場を震撼させたような気がした。バズリズムでも取り上げられていたが、三宅健さんと森田剛さんの剛健コンビが髪形までもシンメになった様で、それが歌っている瞬間に浮き彫りになる。ワンレンの片側の髪が顔にかかる姿は、素直で落ち着いた曲ながらもまさしく妖艶であった。7月に始まる新しいドラマの撮影で森田さんはあの髪形にしたのだと思うが、彼が本当に三宅さんとお揃いのスタイルにしようとしていたなら発狂ものである、可愛い。

岡田准一さんは雑誌で見たよりもまたすこし恰幅が良くなり、堂々とした佇まいがあった。その顔は言わずもがな整っているが、映画の撮影を終えたのであろう、また年を重ねた渋さが引き立っており、キャーという黄色い声も拍手喝采も彼には値する顔つきだ。ずるいぞ。

また、現存する最古のシンメでおなじみの(?)坂長コンビである、坂本昌行さんと長野博さんのユニゾンもTVで見ることが出来て嬉しい。トニセン・カミセンという歌割りは多く見られるものの、この二人だけがおなじフレーズを歌うことは最近あまりない(たぶん)、強く伸びの良い坂本さんの声と優しく染み込むような長野さんの声が交わり長年連れ添った夫婦だけあってミックスが安定していて完璧である。

同じシングルの通常盤に収録されているカップリング曲も、視聴の段階でどちゃくちゃグッとくる爽やかさがあった。私はファンになってまだ数ヶ月しか経っていないのだが、最近のシングルを聞くと三宅さんの声が音源でも更に強く通っていて素のままミキシングされてて聞き分けしやすい。Vファンの先駆者の方々が三宅健の声に時代が追いついたと言っている理由がわかった。

 

さてMステの話に戻る。彼らのグループ以外にも、4月28日の出演者は非常に豪華なものであった。以下出演者と演奏した曲目である。

※五十音順

 

スペシャルかな?

正直テレビの前に座る私たちでさえもドレスコードで視聴しなければいけないような演者が揃い踏みである。だって昆夏美さんドレスを召していたし、椎名林檎さんも銀座の女って感じしたし*1オースティンもスーツだし、そして高校生の青春代表のようなゆずでさえも、20周年を迎えるにあたり、その演出は派手とは言わないものの強く印象付けられるものであったのだ。

何よりジャニオタが突出して興奮した演出は嵐だ。松本潤さんが「Jr.のみんなも出てくれるので」と言ったとき、は!?聞いてないんだけど!?とJr.担の友達にラインを送りまくったのは記憶に新しい。今回相葉雅紀さん主演のドラマ「貴族探偵」の主題歌ということで、嵐のみなさんはえんじ色を基調としたクラシックな貴族らしい衣装を召しており、Jr.のみなさんもフォーマルなベストを着こなしていた。

大サビでそれぞれがそれぞれの方向を向いてFind itする場面があるのだが、ご、豪華だ...と思わず口にしてしまうほどの圧倒的スター感、これぞジャニーズブランドといった演出や照明が顔面に叩きつけられた。*2

 

何事も自分の価値観で比較してはいけないのだが、この数々のスターが出す「住む世界が違う」ような雰囲気を真正面から受け止める降伏感はV6では感じられなかった。金色の紙吹雪が舞うこともなかった。イッセイミヤケの服は高額かどうかは抜きにしても買うことが出来たり、これぞ圧倒的なアイドル感といった印象は放送の中では見ることがなかった。

だからこそ言える、今のV6は「近い」。

 

その起点となるのはトニセン、特に井ノ原さんである。彼がバラエティなどの番組に出る際、必ずと言っていいほど肩書に記されるのが「朝の顔」というワードだ。ご存知、「あさイチ」という番組で彼は司会を務めており、日常の技や料理のレシピなどの暮らしに役立つ情報を紹介し、特に主婦層の方々に熱い支持を得ている。番組の中で、井ノ原さんは”イノッチ”と呼ばれているが、この愛称はすっかり国民のおなじみで今やファン以外の人から呼ばれることのほうが多いだろう、そしてたぶん私が生まれたころから井ノ原さんでもなく井ノ原くんでもなく、イノッチだった。内村光良さんがウッチャンのように、小泉今日子さんがキョンキョンなのと同じことであり、愛称で呼ばれる芸能人を受け手は心理的距離がちょっと縮んだように感じる。

トニセンからの心理的な距離の近さは彼らの送るラジオ番組で最近でもしばしば確認することができる。アイドルという理由であまり表向きに子供の話はしないが、特撮ものに詳しいという父親の一面がバリバリ出てる井ノ原さん、ファームで貰ってきた野菜についてたバッタが部屋を飛んでたという長野さん、あさイチをのんびり見てると報告する坂本さん。いや私の実家の話ではない、れっきとしたアイドルの生活模様である。このなんとも人間味のあるエピソードがラジオでは語られており、地方に住んでいるファンや一般の人が共感しては「トニセンも庶民の生活してるんだなー」と距離の近さを感じている。そんなわけないのに。そんなわけないよ、だって帯やったり外車乗ったり囲炉裏買ったりしてるんだからね(?)

V6においても、学校へ行こう!を見て育った世代の視聴者は、彼らを少しだけほかのグループとは違う、一緒にふざけて成長した身近なジャニーズと思うのではないだろうか。もしかしたら番組中に直接お会いして話せた人もいるかもしれない。お話しすることはできなくとも、直接肉眼で見ることが出来る機会がある、これは今までとは違う物理的な距離の話で、今年6月13日より初日公演となる「君が人生の時」という物語を予定する坂本さんや森田さんが力を入れてる舞台や*3、三宅さんが出演された滝沢歌舞伎、岡田さんが演じた映画の舞台挨拶など、もちろん新曲や特番が発表となれば今回のMステのように番協で見ることが出来るし、コンサートが開催されるのであれば当然V6としての心髄が現れる。当選するかしないかは別として!※偉そうにキーボード打ってるけど私コンサート行ったことない。

最近の彼らの曲の心理的距離は近い。例えばリリースされた「COLORS」と両A面の「太陽と月のこどもたち」という曲がある。この曲を初めて聞いた時、心の底を見守って背中を軽く押してくれるかのような家族の暖かさが目に浮かんだと同時に、涙がこぼれた。(もうなんか近いっていうか、神様なのかな?もしかして遠い?)俺についてこいとか、がんばれ!とか、愛してるよみたいな曲も元気をたくさん受け取ることができるのだが、笑おう、一緒に歩いて行こう、胸張って!というように最近の彼らの曲は自己を肯定するような詞が多い、そのため自分の力で元気を生み出すことが出来るのだ。あくまで二人称ではなく一人称同然の距離が私には非常に傍に感じられた、同じように共感していただけた方はいるだろうか?*4

 

正直この間のMステでの演出は、派手で煌びやかな他のアーティストとは違う、数段落ち着いたテイストであった。しかしそれは、距離感という一つのテーマにおいて、三宅さんが井ノ原さんや岡田さんのほっぺを触ったりするような、最近の距離感が迷子であるV6らしい送り手と受け手の形のひとつだったのだ。彼らはこのような活動を本人達も気が付かない間にバンバンと行っているのではないかと思う。同時に数か月前にV6のファンになった私が、今までの記憶と、ファンになってから発売されたシングル、前に発売された音源、コンサートDVD、ラジオ、そしてTV番組を少しかじった程度でこんなにも彼らとの距離が縮んだと思えたことは実はすごいのではないだろうか。

そして私たちは、彼らの素朴な面の一方で煌びやかに美しく、ファンサービスは照れ臭がっているもののセクシーでダンサブルで、なによりも男性の魅力がたっぷりのカッコイイおじさんであることを知っている、生で見たことがあるひとなら尚更である。

ファン以外、そのギャップがどれだけ胸打たれるのか知らない。

彼らに注目せねば、未だ距離は縮まらないのである。

 

 

*1:正直歌舞伎町周辺の香りは抜けない

*2:同時に長妻くんでけぇなって思った

*3:幸運なことに本人たちに届けることのできたファンレターは既読されるかも

*4:前回のシングルのセブンネット版特典でVR視聴が出来たことにより物理的近距離間を味わうことができた